2010-01-01から1年間の記事一覧

物語の終わり

やっぱり書いておこう、と思ったので書くことにしました。 *** ときどきなのですが、お仕事で出会う方から「物語」を感じることがあります。 すべての方ではないのです。たまに、そんな印象の方がいらっしゃるのです。 「話が長い」「濃い」と同僚からは…

伝えることで知っていく

私には「小説は読めるけどエッセイが読めない」という作家さんと、「小説は読めないけどエッセイなら読める」という作家さんがいて、前者がよしもとばななさんで、後者が田口ランディさんだ。どこか似ている、というかニューエイジ的な匂いが漂うところは同…

やさしさアウトライン

お茶を配っているとき、「こうやってお茶を入れてもらうのが嬉しいって思ったの、実はそんなに昔のことじゃなかったな」と思い出したので、その話を書いてみる。まぁ、いつもの話なんだけど。 歯抜けの櫛のようにぼろぼろと感情の欠落があった私は「やさしい…

せめてそうだといいのに。

なるべくならで、できているとは言えないのだけれど。 すきもきらいも、いいも、いやも、なるべくそのひと本人に直接伝えにいきたい。 そういうことだったってわかったり、そういうことじゃなかったって気づいたりする。 どこがいいのか、どれくらいすきなの…

うたうように、そこに。

とても長くなってしまいました。 *** 最近、図書館の本ばかり読んでるから再読も一冊。と、寝しなに本棚から手にとった本は、昔、読書感想文で賞をもらったときの本でした。あのとき私はこの本のどこがいいと思ったのだろう。忘れていることを思い出せる…

きみはなんていうんだろうね。

週末に本を読んでからっていうもの、頭の中にアメリカのティーンエージャーが住んでるんだ。 こんな風に書き出すときみは、コイツ今度はいったいなにを始めるつもりなんだ?って訝しがるんだろう。まったくもってそうだ。ぼくだって(「あたしだって」でもぜ…

終わりにたりなかったこと

この数年間、終わってしまった幾つかのことを考え続けていました。 するとそこに共通点が見つかったので、それを書いてみたいと思います。 そう決めたのはいつだったかはわからないのですが、私はあることについて学び、資格をいくつか取り、それで食べてい…

すきときらいを合図して

「好きな歌はなんですか?」 届いた手紙の最後にそんな一行があって、そういえば話したことがなかったことに気がついた。好きなうたを誰かと話してたのは十代で最後だったような気がする。どこかの教室や電車の中。誰かが持ってきたCD。隣で聞いてるイヤホン…

こぼれ落ちてしまっても

あの夜と同じお酒だと気づいた瞬間、彼女にまつわる記憶の自動再生が始まってしまった。 彼女は友達に流行があった。グループの中でいまはこのひとがお気に入り。という時期があるのだ。たまたま、私はその夏の彼女のお気に入りで、彼女と同じバイトをしたり…

はいる

ここしばらく、持ち帰りのお仕事のようなものがありまして、ずっとそれをしていたのです。 やらなくちゃならないけれど面倒だし、気晴らしに他のことをやろうとしてもいつもそれが気になるしで、ちょっとやっては休み、休んではまたちょっとやって、を繰り返…

ノートの切れ端に5行

「恥ずかしいキャッチコピーつけたいんですけど、なんかありませんか?」と声をかけられたので、「三点リーダつけると途端に恥ずかしい感が増量するね!」「体言止めも結構キテますよ!」「句読点も入れたいね!」なんて話していたら、「倒置法は当然使うよ…

3行でたりない

なにか書くたびに補足を書いちゃうところはどうにかならないのでしょうかじぶん。とは思うのですが、懲りずにまた補足を書いてしまうのです。最近こんなことが続いててごめんなさい。 ではさっそく…。 もしも本当になにかをわかって欲しいのならば出来事をち…

周回遅れでかまわない

「こんなことがあって」「こんなことを思って」「だからこういうことに気づいた」を書こうとするとき、後ろの二つだけで物事を語ろうとしていたんだけど、そうじゃないみたい、と思い始めてる。具体的なことを避けるのがいいと思ってたけど、どうも違ったみ…

みちくさ

最近たんぶらで遊んでいるのです。 (例によって使い方がわからずに長期間放置してたことはしみつ。) 面白くなったのは「これはみちくさだ」と感じたからなのかもしれません。自分の好きなものをリブログされている方をたどり、道草をするようにその先で見…

なりたくてなれなくて

『誰かを好きにならなくちゃ 誰かに好きって言わなくちゃ』 そう繰り返す、恋に憧れる女の子のうたを聴いていた。 「誰かを好きにならなくちゃ」と思わなくなって、私は楽になった。 罪悪感はちらりとよぎるけど、嫌いと思っただけで胸がすっきりしてくる。…

うたにかえて

もう数年が経つ。同じうたを延々リピートして聴いていたことがある。そればかり聴いて、そればかり聴いたから、それから聴けなくなっていた。そのうたの動画を、読ませていただいているブログさんで偶然見かけたから、少し躊躇ったんだけれど久しぶりに聴い…

駆けてゆきたい

バスに乗っておつかいに出た。 広い公園(緑地?)の横を通り過ぎたとき、赤や青の帽子をかぶった三歳くらいの子どもたちが、木立の間から広場に向かって一斉に駆け出してくるのが見えた。 身体の中に少しだけ残っていたものが反応した。広いところに行くと…

灯り

「どうやったら好きになれるだろう」と考えてしまうクセがある。「好き」にはなれなくても、「嫌じゃない」か「わかる気がする」くらいにはしたくなる。弱くて狡くて汚いことでも「そういうこともある」と思えるようにしないと生きていくのがつらくてしんど…

雨の日に傘を抱えて

駅までそう遠くないはずと走ってみたものの、雨脚はどんどん強まっていく。こんなときのお約束でコンビニは見当たらないし、土地勘がないから下手に探せば確実に迷う。やっと見つけた100円ショップで傘を買って広げると、傘とはこんなにいいものだったの…

それだけでうれしい

いろいろなものを食べに行けるようになったのは大きくなってからでした。目新しい食べ物というだけでどれもおいしい気がしました。そして、親しい人達と笑って「おいしいね」と言いながら食べるごはんがおいしいということを、まわりのひとよりもすこし遅く…

おめでとうありがとう

かわいい女の子の写真を見たので思い出したのです。 保育所に通っていた頃、私はとにかくよく泣く子でした。お迎えが最後の一人になっただけで、もう誰も迎に来ないんじゃないかという気がして怖くてしかたなくて泣きました。いつもは見せてもらえない「ノン…

本に潜れなくなった日

「いままでみたいに本が読めなくなった」と思ったときのことを書こうと思います。長いです。 それまで、私にとって本は絶対にただしいものでした。本の中には私の知らないことがたくさん書いてありました。周りのひとはみんなわかっているのに自分だけがわか…

「伝えたい」までのこと。

またちょっと間があいてしまいました。 というのは、「ちゃんと伝えよう!」とか「伝わるように書いてみよう!」とか考えたところまではよかったのですが、「で、いったいなにを伝えたいの?」と考えたら「なんだろう?」と思考が停止してしまったのです。私…

さみしさの違い

「さみしい」というのはどういうことなんだろうなぁ、と考えることがあります。 ぽつんとしているさま、まばらな様子、寂れた感じ、密度の薄さ、充分でないこと、そういう状態を指し示すのかなと思って“なんとなく”で使っています。「なんかこれ、さみしくな…

答え

自分で整頓できればいいけれど、吐き出さないと楽になれないことだってあるのでは?と思うことがあります。ほかにも、甘えてると知ってても身動きがとれないときや、親切さえ額面通りには受け取れなくて跳ね除けてしまうときや、藁をも掴むような心境で救い…

3回くらい読みます。

わかりたいと思ったことや少し背伸びしないとわからない難しいものを読むときには、だいたい3回くらい読みます。がちっとチャンネルというか周波数というかそういうのが合えばいいのですが、そうじゃないときはまずチューニングするのに時間がかかってしま…

椰子の木

あれがなんという木なのかを本当は知らない。 とにかく幹がまっすぐ天に高く伸びて、枝がなくって、その天辺からもさもさと大きな葉っぱが出ている。だからあれはソテツではなくてやっぱり椰子の木なんだろうということにしている。 私は雪が降るところで育…

「難しい」

この言葉がものすごく苦手だった頃があった。 だからなるべく使わないようにしようって思ってた。 これを言わないで物事を伝えられるようになろうって。 現状認識の共有から始めて、途中経過を確認して、A・Bの選択肢にCの影響があってDという要求をこなす場…

あたらしいめがね

意見を述べることや議論するということにあまりいい記憶や経験がなくて、ずっと少し苦手に思っていました。けれど、ネットをよく見るようになってしばらくした頃、様々な考えに触れて自分の感じ方や考えを確認しているときふと思ったことがありました。 「向…